三国志地名事典　荊州

【都督】関羽 / 曹仁 / 夏侯儒 / 胡奮

【刺史・牧】徐璆 / 劉表 / 李立 / 劉琦 / 劉備 / 傅羣 / 胡脩 / 楊肇 / 宗廷 / 陶濬 / 胡烈

【州吏】馬良 / 馬謖 / 楊儀 / 王甫 / 樊伷 / 習温 / 潘秘

【領郡】南陽郡 / （章陵郡） / （義陽郡） / 南郡 / （襄陽郡） / 江夏郡 / 零陵郡 / （始安郡） / 桂陽郡 / 武陵郡 / 長沙郡 / （臨賀郡）

この時代もっとも人口の多かった郡で、ほぼ一州に匹敵した。はじめ黄巾賊張曼成が挙兵して太守を殺害している。荊州牧劉表は婁圭と手を結び、のちに張繡が駐屯した。建安二十三年（二一八）、曹仁は樊城で関羽と対峙していたが、南陽郡では前線への軍役に苦しんでいた。そこで宛を守る大将侯音は民衆の気持ちを利用して叛逆した。しかし太守東里袞・曹仁の包囲を受けて翌年正月に鎮圧された。

【郡王】孫和

【太守】劉焉 / 張忠 / 褚貢 / 秦頡 / 張咨 / 楊俊 / 東里袞 / 田予

【郡吏】応余 / 宗子卿

【郡人】岑晊 / 張曼成 / 趙弘 / 許攸 / 張津 / 宋忠 / 張羨 / 婁圭 / 鄧展 / 師宜官 / 陳震 / 呂乂 / 李厳 / 王連 / 郭攸之 / 李休 / 応余 / 樊伷

【領城】宛 / 冠軍 / 葉 / 新野 / 章陵 / 西鄂 / 雉 / 魯陽 / 犨 / 堵陽 / 博望 / 舞陰 / 比陽 / 復陽 / 平氏 / 棘陽 / 湖陽 / 随 / 育陽 / 涅陽 / 陰 / 酇 / 鄧 / 山都 / 酈 / 穣 / 朝陽 / 蔡陽 / 安衆 / 筑陽 / 武当 / 順陽 / 成都 / 襄郷 / 南郷 / 丹水 / 析

魏が荊州治府を置いた地。

中平元年（一八四）、黄巾賊の張角が蜂起すると、南陽でも張曼成が挙兵して「神上使」を称し、軍勢数万人を集めて太守褚貢を殺害、宛の城下に集結した。張曼成が戦死すると趙弘が総帥となり宛城に楯籠り、趙弘が斬られると韓忠が総帥に立った。朱儁らの奇襲を受けて韓忠は宛城を抜けて小城に逃げ込んだが、包囲のゆるんだのを見て突出、大敗して殺された。また孫夏が総帥になったが朱儁の強襲を受けて敗走、南陽郡は鎮定された。

【県令】种払

【県人】

【県令】

【県人】

葉は式渉の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】来豔 / 来敏 / 鄧芝

はじめ舂陵といって光武帝を輩出したが、のちに章陵と改称された。さらに義陽郡が立てられると、その郡治となり安昌と改称される。

【県令】

【県人】鄧羲

【県侯】滕脩

【県長】杜襲

【県人】滕脩

雉の音は弋（yi）爾（er）の反切《漢書注》。

【県長】呂君

【県人】

【県令】

【県人】

犨の音は昌牛の反切《漢書注》、また尺由の反切《後漢書集解》。

【県令】

【県人】

堵の音「者」《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】呂君

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

復の音は房目の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県侯】黄権

【県令】

【県人】

涅の音は乃結の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

酇の音「讃」《漢書注》、また「賛」《後漢書集解》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

酈の音は蹢躅の「蹢」《漢書注》、蹢は直戟の反切《周易音義》。

【相】

【国人】

穣の音は人羊の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】張温

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】宗資 / 宗承 / 宗預

筑の音「逐」《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県侯】滕脩

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】何顒

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

析の音は先歴の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】

光武帝の故郷章陵県を中心として後漢末期に立てられた郡。劉表が荊州入りした時点で「荊州八郡」と言われており、この時すでに立てられていたと考えられる。黄初三年（二二二）、曹拠の封地となり義陽国と改称された。呂君碑に「十三城を連ぬ」とあり、十三城を領していたと思われる。

【太守】蔡瑁 / 蒯越 / 黄射 / 趙儼 / 呂君

【郡吏】楊向

【郡人】

【領城】章陵

黄初三年（二二二）、曹操の子曹拠が章陵王となり、同年義陽と改称された。一時廃止されるも晋の時代に復活する。鄧艾が義陽郡棘陽の人とあり、また蜀に義陽出身者が多く、まだ疑問の多い郡である。

【太守】

【郡吏】

【郡人】韓嵩 / 魏延 / 鄧芝 / 傅肜 / 傅僉 / 傅著 / 傅募

【領城】安昌（章陵） / 平林 / 平氏 / 義陽 / 平春

【太守】蔡瑁 / 周瑜 / 程普 / 麋芳

【郡人】習授 / 馮習

【領城】江陵 / 巫 / 秭帰 / 中盧 / 編 / 当陽 / 華容 / 襄陽 / 印（邔） / 宜城 / 鄀 / 臨沮 / 枝江 / 夷道 / 夷陵 / 州陵 / 佷山

赤壁敗戦ののち曹操はこの城に曹仁・徐晃らを残して帰国した。

【県令】

【県人】

はじめ宜都郡の属県から、建安二十一年（二一六）に再編されて益州巴東郡、のちに建平郡に属す。

【督軍民事】向朗

【県令】

【県人】張脩

秭の音「姉」《漢書注》。

【督軍民事】向朗

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】蒯良 / 蒯越 / 廖化

編の音「鞭」《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

劉備が曹操に敗れた地。当陽県下にある。

【県長】貝羽

【県人】華容女子

【県令】

【県人】蔡諷 / 蔡氏（劉表妻） / 蔡瑁 / 蔡瓚 / 蔡琰

樊とも。漢水をはさんで襄陽城の対岸にある。

襄陽城の南十里にある。孫堅が襄陽を攻撃したとき、黄祖（あるいは呂公）はこの山に潜んで孫堅を射殺した。

邔の音「忌」または其已の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】

楚の鄢邑を改めて宜城としたものだが、漢末から魏にかけて旧名に復したらしく、蔡瓚という者が鄢国の相となっている。

【県令】

【県相】蔡瓚

【県人】馬良 / 馬謖

鄀の音「若」《漢書注》。

【県令】

【県人】秦頡

沮は千余の反切《漢書注》。

【県長】向朗

【県人】

【県令】

【県人】董和 / 董允 / 霍篤 / 霍峻 / 霍弋

【督軍民事】向朗

【県令】

【県人】

【督軍民事】向朗

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

佷の音「恒」《漢書注》。「很山」とも書かれる。

【県令】

【県人】

【太守】関羽 / 潘璋

【郡吏】楊儀

【郡人】楊慮 / 楊儀 / 許汜 / 蒯祺 / 李衡 / 習珍 / 習温 / 習宇 / 習宏

【領城】襄陽

【太守】蔡瑁 / 黄祖 / 劉琦 / 文聘 / 程普

【郡吏】秦頡

【郡人】張虎 / 陳生

【領城】西陵 / 西陽 / 軑 / 鄳 / 竟陵 / 雲杜 / 沙羨 / 邾 / 下雉 / 蘄春 / 鄂 / 平春 / 南新市 / 安陸

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

軑の音は都蓋の反切または都系の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】

鄳の音「盲」、あるいは「萌」また莫耿の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】費禕 / 費観（費伯仁）

【県令】

【県人】劉焉 / 劉範 / 劉誕 / 劉瑁 / 劉璋 / 劉循 / 劉闡

【県令】

【県人】

羨の音「夷」《漢書注》。

【県令】

【県人】

江夏太守黄祖が駐屯して孫策・孫権を防いだ地。のちに曹操に敗れた劉備が劉琦と合流した。

邾の音「朱」または「誅」《漢書注》。

【県長】甘寧

【県人】

雉の音は羊氏の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】

蘄の音「祈」《漢書注》。

【県長】曹洪

【県人】

鄂の音は五各の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】李通

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】黄香 / 黄瓊 / 黄琬

山名。周瑜・劉備が曹操を破った地。所在には諸説ある。

• 江水左逕上烏林南村居地名也。又東逕下烏林南、呉黄蓋敗魏武于烏林、即是処也。江水左逕百人山南、右逕赤壁山北、昔周瑜与黄蓋詐魏武処所也。《水経注》
• 今鄂州蒲圻県有赤壁山、即曹公敗処。《通典引括地志》
• 赤壁一名烏林、在郡西北二百二十里、在漢川県西八十里、跨漢南北。《通典引漢陽郡図経》
• 赤壁山在蒲圻県西一百二十里、北臨大江、其北岸即烏林、与赤壁相対、即周瑜用黄蓋策、焚曹公舟船敗走処。《元和郡県志》
• 赤壁草市在漢川県西八十里、古今地書多言此、是曹公敗処。蓋漢川居人、見崖岸赤色、因呼為赤壁。《同上》
• 赤壁、山名也、在今鄂州蒲圻県。《後漢書李賢注》
• 武昌志、赤壁山在今嘉魚県、対江北之烏林。黄州赤壁非是。《資治通鑑胡三省注》
• 赤壁山在嘉魚県西七十里。蘇軾指黄州赤鼻山為赤壁誤矣。《方輿紀要》

【太守】韓嵩 / 程普 / 張羨 / 劉度

【郡人】劉先

【領城】泉陵 / 零陵 / 営道 / 営浦 / 泠道 / 洮陽 / 都梁 / 夫夷 / 始安 / 重安 / 湘郷 / 昭陽 / 烝陽

【県令】

【県人】劉綽 / 劉優 / 劉敏 / 蔣珩

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

泠の音「零」《漢書注》。

【県令】

【県人】

洮の音「韜」《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】周不疑

【県令】

【県人】蔣琬

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】劉巴

【太守】

【郡人】

【領城】始安 / 尚安 / 永豊 / 始興 / 平楽 / 荔浦

【太守】張羨 / 趙範 / 趙雲

【郡人】

【領城】郴 / 便 / 耒陽 / 陰山 / 南平 / 臨武 / 桂陽 / 含洭 / 湞陽 / 曲江 / 漢寧

郴の音は丑林の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

耒の音は郎内の反切《漢書注》。

鉄官が置かれている。

【県令】龐統

【県人】谷朗

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

洭の音「匡」《漢書注》。

【県令】

【県人】

湞の音は丈庚の反切、または「貞」《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【太守】劉先 / 金旋

【郡人】

【領城】臨沅 / 漢寿 / 孱陵 / 零陽 / 充 / 沅陵 / 辰陽 / 酉陽 / 遷陵 / 鐔成 / 沅南 / 作唐

沅の音「元」《漢書注》。

【県令】

【県人】廖立

荊州の治所。

【県令】

【県人】

孱の音「践」《漢書注・後漢書集解》、また仕連の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】

蜀の劉備は呉の孫権の妹を夫人としたが、ほどなく仲違いした。夫人は劉備の子劉禅をつれて呉に帰国しようとしたが、趙雲・張飛が長江の交通を遮断したので劉禅を連れ帰ることできなかった。夫人は公安と孱陵とのあいだに新たな城を築き、ここに住まいした。この城はのちに孱陵県の治府になる。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

沅の音「元」《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

鐔の音「潭」《漢書注》。

【県令】

【県人】

沅の音「元」《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【太守】孫堅 / 蘇代 / 張羨 / 韓玄 / 廖立 / 習温

【郡人】尹虞

【領城】臨湘 / 攸 / 茶陵 / 安城 / 酃 / 湘南 / 連道 / 昭陵 / 益陽 / 下雋 / 羅 / 醴陵 / 容陵

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

酃の音「霊」《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

雋の音は辞兗の反切《漢書注》。

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】劉封

【県令】

【県人】

【県令】

【県人】

交州蒼梧郡を分割して郡を立て、荊州に編入したもの。

【太守】厳綱

【領城】臨賀 / 謝沐 / 封陽 / 馮乗 / 富川 / 建興 / 新甯