三国志モバイル人物伝

字は士元。襄陽郡の人。

若いころは華やかさを欠いていたので誰からも評価されなかった。十八歳のとき潁川郡の司馬徽が人物を見る目があると聞いて彼に会いに行くと、司馬徽は[ﾎｳ]統を高く評価して南方の人物のうち第一人者になるだろうと述べた。これより有名となり郡の功曹に任命された。[ﾎｳ]統自身も人物査定を好み、才能を育てることに力を注いだ。南郡太守周瑜が死ぬと、彼の遺骸を呉に送り届けることになり、その地で陸勣・顧劭・全[王宗]らと親交を結んだ。

劉備は南荊州を支配すると[ﾎｳ]統に耒陽県令を代行させたが、仕事が捗らず罷免された。これを聞いて呉の魯粛が「[ﾎｳ]統は治中・別駕などの大役を任せてこそ才能を発揮する人物です」という手紙を劉備に送り、また諸葛亮も重用を勧めたので、劉備にお目見えしていろいろ語り尽したすえ、極めて有能であると評価され治中従事に抜擢された。こうして諸葛亮と並んで軍師中郎将を拝命する。[ﾎｳ]統は劉備に益州奪取を進言し、渋る劉備に理非を説き、その結果益州攻略が開始された。

益州牧劉璋と劉備が[ﾌ]城で会見したさい、劉璋暗殺を勧めたが容れられなかった。劉璋が成都に帰還すると、劉備に楊懐・高沛を騙し討ちにさせ、ともに成都に攻め上った。劉備は各地での戦勝を喜んで酒宴を開いたが、[ﾎｳ]統は「他人の国を攻め取ることを楽しむのは仁者ではない」と戒めた。さらに進軍して[各隹]城を囲んだとき流れ矢に当たって戦死した。ときに三十六歳。劉備は[ﾎｳ]統の死を嘆き、彼の話になると涙を流した。

のち関内侯を追贈され、靖侯と諡された。

【参照】顧劭 / 高沛 / 司馬徽 / 周瑜 / 諸葛亮 / 全[王宗] / 楊懐 / 陸勣 / 劉璋 / 劉備 / 魯粛 / 潁川郡 / 益州 / 荊州 / 呉 / 襄陽郡 / 成都県 / 南郡 / [ﾌ]県 / 耒陽県 / [各隹]県 / 関内侯 / 軍師中郎将 / 功曹 / 靖侯 / 太守 / 治中従事 / 別駕従事 / 諡