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翻訳・校訂
256  two_yossy  2004/09/07(Tue) 01:15
 さっそく当該箇所を読んでみました。前後を併せ読まないと分かりにくい
文章ですね。ここおそらく...

  粛の曰く、「今日の事は、宜しく相開譬すべし。劉備 国に負(そむ)き、
 是非 未だ決せざるに、羽も亦た何ぞ敢て重ねて命を干(をか)さんと欲する
 か」と。

 と読むのでしょう。「開譬」は用例の少ない語なので、いまは避けますが、
「負」には「背く」の意があります。もともとの「背にする」「背負う」の意
から派生したものです。「国」は「お国」、つまり「大呉」ですね。劉備を国
だとはまだ認めていませんから。「干」は「干犯」の意ですから、「おかす」
です。
 こう読めば一応のところ小南訳で中華書局本の点校には合います。中華書局
本の点校が必ずしも完璧とは言えないところもあるのですが、それでも斯界の
碩学が作ったものですから、ただ気分的にうまく訳せないから変えてみる、と
いうのは極力避けるべきだと思います。経書などのハナから訓点のアヤしいも
のについては、諸説を併記したうえで善いものを採っていいでしょう(そうし
ないと訳せない)。自分も尚書の訳では、漢文大系本と孫星衍・皮錫瑞との間
に訓点の違いが見られる場合には、偽孔伝・蔡沈の集伝・孫氏の注疏・皮氏の
考証を読んだうえで最も妥当な形を採りました。こうしたやり方ですら「独断」
として廃される向きもありますが、自分は「学究」ではありませんので、ご容
赦あれ。現代史を専攻した己の良心に照らしても、天地に恥じません。
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