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翻訳・校訂
- 240 IMAGINE 2004/07/28(Wed) 11:00
- 240 名前: two_yossy 投稿日: 2004/07/09(金) 17:38 [ El6g2ihk ]
五行・怪異については、漢文を訳すうえで現代人がもっとも頭を痛めるところ
ですね。桓紀についてはいま手元に資料がないのですが、「肉を雨(ふ)らす」は
ご推察のとおり「肉状の物体が空から降ってきた」と考えていいでしょう。「肉
は羊肺の似(ごと)く、或は大なること手の如し」(肉の形状は羊の肺に似ていて、
大きなものでは人の手のひらぐらいであった)と。桓紀にはこれにかぎらず、およ
そ中国古代史上かんがえうるあらゆる怪異が発生したようですから、お肉がふ
ってきても荒唐無稽とは言えないと思います。ただそれ以前の怪異の百科全書・
『漢書』五行志に記述のないので、新手の怪奇現象なのでしょうか。
羽虫の[薛+子](わざわい)は『漢書』五行志(中之下)に出ています。これに
よると「羽虫」とは鶏や雉子の類のことで、春秋に出てくる「螟(ずいむし)」
や「蝗(いなご)」などの昆虫がなす災は、「裸虫の災」と呼ばれています。
鶏の[薛+子]としては、『捜神記』巻六にある「雌�が化して雄に為らんと
欲す」ものや、殷の高宗武丁のとき、祭祀の席で祭器の鼎に雉子がとまったエ
ピソード(尚書「高宗[月+彡]日」篇)が挙げられています。したがって「肋は、
脅肋なり」というのは、「肋」は「鶏肋」の類で、「脇肋」は「あばら骨」の
意。
ところで、空から降ってきた「肉」。
ここからは全くの私見ですが、仙薬の一種に「肉芝」というのがあり、「芝」
というからには恐らく菌類(「石芝」は鍾乳石ですけれど)。菌類・粘菌の中に
はまったく不思議なメタモルフォーゼを行うものがおりますから、上空まで飛
んだ胞子が雲の中で成長し、奇妙な肉塊状になって落ちてきた、というのはあ
りえないでしょうか。ただそうなると、なぜ『漢書』やそれ以前の書に記録が
ないのか、説明できませんけれど。ちなみに「雨肉」現象、『晋書』には載っ
ているようです。
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