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翻訳・校訂
225  IMAGINE  2004/07/28(Wed) 10:57
225 名前: two_tossy 投稿日: 2004/06/13(日) 15:09 [ rJjwsy.k ]

庵主
  孤島の好々爺はひごろから応援してますぞい。老爺心までに。

 (1) 「長秋宮を建つ」は貴訳のようにそのままズバリと表現しておくのでも
  いいと思います。意味はご存じだと思いますが、「立后」ですね。漢書莽
  伝上に「皇帝即位三年、長秋宮 未だ建たず、液廷の� 未だ充たず」とあ
  り、後漢書馬后紀の李注に「皇后を立てんことを請ふも、敢て指言せず、
  故に宮を以て之を称す」とあるのを参照。
 (2) 「分帰」の箇所、「今 旧典を以て分かれて外園に帰するに当り」と訓
  じ、「帰」は「先帝の崩御により、それぞれ落ち着くべきところに落ち着
  く」の意かと。それが旧典であったと。
 (3) 「惨結」は「悲惨」と「結愁」との意で、「結」には日本語にも「結ぼ
  れる」という表現があるように、心塞ぐことでしょう。後漢書質紀永熹元
  年五月の条参照。
 (4) 燕燕の詩、ご苦労された形跡が拝察されます。これは�(「[背+邑]」
  同字)風の一篇(�字の後ろに「�」が加えられているのは、通行本がこの
  箇所を�ではなく、誤って�にしているため。�・�・衛はもと一巻で、
  毛詩が便宜にって分かったため、このような混乱が生じたものと思われま
  す。できれば「�」は括弧書きで)。訓訳は「帰」字をどうとらえるかで
  変わってきます。本来は「帰嫁」の意(白川 静『詩経国風』)で、毛伝が
  貴人を里に下がらせる意としているのは誤り(したがって鄭玄の箋注も誤
  り)。ただ和紀もまた誤りのまま引いていますので、今は仮にそのままに
  読んでみます。「燕燕 于(こゝ)に飛びて、其の羽を差池す。之(こ)の子
  于に帰れば、遠く野に送る。瞻望するも及ばす、泣涕 雨の如し」。鄭箋
  は最初の「于」を「往く」の意とし、吉川忠夫氏の注もそのまま採ってい
  ますが、白川訳に従います。「差池」は鄭箋に「其の尾翼を張舒するを謂
  ふ」(その尾や羽を大きく張る)とありますが、白川博士も言っているよう
  に、「参差」と同義とするのが正しいでしょう。参差は「ふぞろいなさま
  」。ゆっくり羽ばたいたり、せわしくバタつかせたり。
 (5) 李注の「副首」は、「首に副へて飾りと為す所以、今の歩揺の若きなり」
  と訓ずるようです(吉川訓注)。歩揺は長恨歌に言う、「雲鬢・花顔・金歩
  揺」ですね。
 (6) 御者と箇所、「遂に掖廷に下」されたのは、吉成ではなく、「事件」が
  廷吏にお下げ渡しになったと見るべきでしょう。告発者が事情聴取を受け、
  (口裏合わせがしてあって)証言の辻褄が合うことから、「辞証 明白」と
  なって太后に報告があったわけです。また「先帝の左右にして之を待する
  こと恩有」ったの主語は吉成のこと。
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